松下、世界最小"一眼カメラ" 初の「マイクロフォーサーズ」機 - ITmedia
マイクロフォーサーズというのは、現行フォーサーズ規格とセンササイズは同じで、レンズ取りつけ面からセンサまでの長さを半分にした規格。
この規格が何を成し遂げるものとして作られたかについてメモっておこう。
■デジタル一眼レフの辛い所
まず、デジタル一眼レフは辛い。何が辛いかというと、だいたい以下の2つだ。
・どうしても小さく作れない
・難しすぎて電機メーカーが参入できない
小さく作れないというところは右の図を見れば分かるとおり、一眼レフというのはミラーボックスとファインダ工学系(赤い部分)が、シャレにならない容積を要求する。図はフォーサーズのものだが、センサーが大きい機種では、これらが全部大きくなる。α900やD700が何故頭でっかちなのかというと、35mmの像を大きいまま頭の中で何度も折り曲げて接眼レンズに運ぶ為である。
さらに、ミラーボックス、AEセンサ、位相差AFセンサ、シャッター、ファインダスクリーン、ペンタプリズムなど、これらはカメラメーカーの特許とノウハウの塊だ。電機メーカーが、よし作るぞ、と言ってさっさと作れるような生易しい代物ではない。
現に、松下はこのあたりの部品は他社から購入してデジタル一眼レフを作っていたし、ソニーに至ってはコニカミノルタのカメラ部門をまるごと買い上げねばならなかった。
つまり、一眼レフのメカというのは、小型化や新規参入を志向する作り手にとっては邪魔で仕方ないものだった。これらを丸ごと解決するのがマイクロフォーサーズだ。
■マイクロフォーサーズで何が出来るか
マイクロフォーサーズは、そもそも光学ファインダが現実的に実装できない仕様だ。ミラーもスクリーンも入る余地が無い。その代わり、センサに写った像を電気的に表示してファインダ像とするわけだ。
これによって、サイズ面では、フルサイズのファインダに近い見えのEVFを実現した(らしい)松下の1号機DMC-G1ですら、あのサイズだ。コンパクト機のように、EVF無くてもいいよ、という事ならさらに、となる。
上で難しいと書いた機構部品についても、一通り無しで済んでしまう。つまり、松下が作れるということは、ビクターもサンヨーもおそらく作れるということだ。コスト面でも有利になる可能性が高い。
よく見かける規格の説明ではユーザーメリットに関するものが多いので、省略されがちだけど、実はこれが一番大きいメリットだろう。
■松下の1号機 DMC-G1 について
残念ながら、規格アナウンス時に得られた「極薄レンジファインダ風」のイメージから異なりすぎる方向性、「ちょっと小さいフル機能一眼デジタル」だった。注目していた人々は見事に困惑し、困惑の代償として拒絶している。実に素直だ。
DMC-G1はいわゆる「機能表の網羅率」で機種を選ぶ「素人さん」向けの製品なので、殆どの機能が現行の売れ筋一眼デジタルに劣らないように作られている。弱みがあるとしたら価格(約9万)とバッテリー容量(330枚)ぐらいだろうか。
概ね、見識の高い面々が残念がっているのは気にしないで良いと思うが、何かを削って何かを成し遂げた物については、他の機種に期待したい。
■未来
不明。
考慮してもいいのはこのあたりか。
写真は好きだけどカメラは別に・・という層を「一般」としたとして、
・一般向け製品に、スクリーンを使ったファインダ光学系は残るか?
・一般向け製品に、レンズ交換式は残るか?
・一般向け製品に、大きいセンササイズは残るか?
デジタル一眼レフは今、盛り上がっている。今盛り上がっているということは、盛り上がりが終わりつつあるということで、終わったときにどのあたりに降り立つかというのは結構大事な所だと思う。少なくともフィルム一眼については、売れる分野としてはすっぱり抜け落ちていた時期があった。デジタルでも当然似た様な事が起こるだろう。マイクロフォーサーズは、それを真剣に見据えて優れた中継ぎとなるべく考えられた規格に見える。
逆に、一眼レフのメカを上手く作れる事を競争力としているメーカーや、いわゆるカメラ好きの層からは、ある程度の抵抗があることも予想できる。当分は厳しい状況が続くと思うが、がんばってもらいたいところだ。
今後の動向に注目しよう。
個人的には、板状のボディに筒状のレンズを突き立てるという「T字」スタイルはいいかげん卒業してもいいと思う。T字ではどうしてもバッグの中で占有容積が大きい。筒状のレンズなら筒状のボディでしょ。ビデオカメラみたいにしてよ。
あと、光学ファインダのメリットについてはいちいち述べてないけど気にしないこと。ボクも光学ファインダの見えとミラー・シャッター駆動音も気持ちいいから好きだよ!
参考:
マイクロフォーサーズのベネフィット - four-thirds.org
パナソニック、初のマイクロフォーサーズ機「DMC-G1」- デジカメWatch
やっときた。