かわいそうに
あの人は
自分がやりたいことがなくなってしまったのだ
自分がやりたいことがなくなってしまって
いまはもう
雛鳥のように
餌を求めるだけの存在だ
雛鳥が啼くようによく働き
よく遊び
雛鳥が啼くように人と話す
美味しい食事の話をし
趣味の話をし
よい服を着
稼いだお金と使ったお金の話をし
雛鳥が餌を求めるように人の承認を求める
かわいそうに
あの人も以前は
自分で空を飛べる鳥だったろうに
・・
気づくと
周囲は雛鳥ばかりだった
なんということだ
果たして自分さえも
我々は悉くが
一度成鳥になってから雛鳥に戻る
そしてただ
老いて殻に帰る
・・
いやだ
かわいそうではない
くやしいのだ
ならばもう一度自分で
地面に衝突するまでは
自分は
自分で空を飛べる鳥になろう
巣の外へ
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